【第15回】固定費の話~保険編3~ | 夫婦でお金の勉強始めました

【第15回】固定費の話~保険編3~

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お金の話

おはようございます!ケンです。

【第14回】固定費の話~保険編2~で僕が保険を全て解約し、涙を呑んで大きな損失を受け入れた話をしました。

【第15回】では、その解約に至った具体的な理由についてお話しします。

保険って?

これまで固定費の話~保険編~を見てきてくれた人はもうお分かりと思いますが、

保険というものはあくまでも『保険』であるわけで、それをはき違えると痛い目に遭ってしまいます。

では、保険についての考え方について改めておさらいしながら、解約の経緯に入っていきます。

保険は保険

保険について、【第12回】固定費の話~保険編1~でその働きについてお話ししましたが、

保険は保険であるということをきちんと認識し、ここは絶対に間違えてはダメです。

保険はあくまでも『起こる確率は低いけど、起こってしまったら経済的に途方に暮れてしまう』

ということに対して備えるものであって、それ以上でもそれ以下でもないのです。

低確率な大問題に備える以外の効果を期待してはいけないですし、そのような効果が付いているものには、

何かしら裏があったり、余計なコストがかかっていたり、自分に不利な部分があるのではないか?

というように疑ってかかったほうが良いと思います。

なぜなら、何度も繰り返していますが、保険は低確率なことに対してみんなで協力して備えるものなので、

高確率で起こることに対しては十分に機能するはずがないのです。

投資としての保険

保険についておさらいして、保険は保険だということをお話ししました。

では、そんな中であえて保険に対して『投資』の目線で考えた場合はどうかを見てみます。

ドル建て保険(外貨建て保険)を投資目線で考える

ドル建てをはじめとする外貨建て保険の特徴としては、

最終的には支払った保険料より多くの保険金を手に出来る、というところに尽きると思います。

これはつまり、外貨預金などと同じように、ドルでお金を貯めていったものが、

最終的には増えて返ってくるという投資だと考えられます。

(※厳密には直接ドルを買い付けているわけではないですが、ここでは簡略化しています。)

【第14回】固定費の話~保険編2~でお話しした通り、最終的には180%を超える利回りですから、

何もせずに貯金をしているよりはずっと良いように思えます。

ではなぜ僕はこの外貨建て保険を解約したのか、投資として考えるにあたって絶対に避けられない利回りや、

その他のポイント、気にしなければいけない要素についてお話しします。

利回りは?

投資として考えるにあたって、利回りがどれくらい期待出来るのかは非常に重要です。

今回のケースで考えると、細かい計算は省きますが毎月支払っている保険料に対して、

年利1%台で複利で運用できれば到達できる利回りとなります。

少し難しい内容になりましたが、投資についてこれから勉強しようという方にも分かるように例を出します。

※今回は分かりやすく、年始に100万円を投資に回し、年の途中では追加入金などはせずに、

1年間その100万円を運用した場合を考えてみます。

2020年に投資に100万円支払った場合、年利1%だと101万円になります。

2021年は増えた1%分(1万円)を投資に使い、101万円が投資資金となります。

2022年は更に増えた1%(1万1千円)を投資に使い、101万1千円が投資資金になります。

このように複利の力を活かすと、資金は雪だるま式に大きくなっていくというわけです。

今回のドル建て保険を投資商品として利回りを考えた場合、

年平均で1%の利益を生み出す投資商品を複利で40~50年間ほど運用しているのと同じことになるのです。

・・・・あれ?

投資としての機能を果たしてるのでは・・・?

そう思ったあなた!ちょっと待ってください!

落とし穴1

たしかに今回の場合、支払った『ドル』が増えて返ってくるということになりますが、

大切な要素が抜け落ちてしまっています。

勘の良い方はもうお気づきかと思います。そうです。為替の影響が無視されています。

為替の影響というのは1ドル=〇〇円がどうなるかによって利回りは大きく左右されるということです。

例えば、平均で1ドル=100円で40年間運用できていたとします。

晴れて老後を迎え、さぁドル建て保険を返してもらおう!というときに、

何か大きな災害などが発生し、1ドル=90円(円高)になってしまったらどうでしょうか?

当初イメージしていた返戻率が『円』に換算すると全く確保できていない!となる可能性は十分にあります。

もちろん逆も然りで、思っていたよりも良くなることはあるかもしれません。

ただし、2020年現在コロナショックの影響で、それまで1ドル=111円程度だった相場が、

2週間ほどで1ドル=101円台まで約10円も一気に下がりました。

その後、一時的には持ち直していますが、その後また円高に傾きつつあり、105円前後で停滞中です。

同じような円高へ一気に傾くタイミングはちょくちょくありリーマンショックや今回のコロナショックなどの

世界的に不況になったり、世界情勢の不安が懸念されると『円』が買われて円高になります。

その時々のことはだれにも分からないのも事実ですので、一概にどうなるとは言えませんが、

このように外貨建て保険は、その国の通貨(為替)に大きく左右されるということを理解しなければいけません。

落とし穴2

為替と絡む話になりますが、外貨建て保険はインフレに対応が出来ません。

インフレというのはモノの価格が上がって、相対的にお金の価値が下がることを言います。

簡単に言うと、10年前は100円で買えたジュースが今は150円になっている状態です。

外貨建て保険は現在決められた返戻率(投資で言う利益率)が固定されます。

仮に、返戻率200%であったとしても、インフレ率が200%であれば、返ってくるドルの額面は増えますが、

買えるモノやサービスは今と変わらず、実質お金が増えていないのと同じということになります。

ここは意外と見落とされがちなポイントです。

保険以外にも、とにかく貯金をしよう!という人も同様の落とし穴にハマっており、

一生懸命貯めたお金が日々のインフレにより価値が下がってしまっていることに気が付きません。

少し話は逸れましたが、外貨建て保険はインフレに対応できないという落とし穴に注意が必要になります。

投資としての保険【結論】

外貨建て保険を投資として考える場合、どの角度から見ても『美味しくない投資』であると思います。

たしかに、ただ銀行預金として眠らせておくよりは将来の保険金が増加してロック(固定)されるという点や、

満期前に万が一のことがあったときには(掛捨て保険にはかなり劣るが)気持ちばかりは保険金が出ることなど、

捉え方によってはメリットもあるように思われますが、どうせ投資としてやるのであれば、

国債や投資信託を定期購入していたほうが遥かに効率が良く、インフレなどにも対応できる為、

そちらのほうが賢い選択だと思います。※一般的にインフレなどに合わせて株価は上昇します。

(投資信託については、今回の記事では触れませんが、株などの詰め合わせだと思って下さい。)

保険としての保険

ここまでは『投資としての保険』としてドル建て保険を投資目線で考え、不要という結論に至りましたが、

ここからは『保険としての保険』についても解約に至った経緯をまとめていきます。

民間保険、本当に必要?

保険(投資や貯蓄という目的ではない部分)について、

病気やケガをした場合と死亡した場合を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。

これらについて必要性を考えていきたいと思いますが、

そもそも皆さんはすでに医療保険に加入されていることと思いますが、それは把握していますか?

勉強を始める前の僕は把握(理解)していませんでした・・・笑

サラリーマンの方は毎月の給与から『健康保険料』が天引きされていますよね?

これが、あなたがすでに加入している保険(社会保険)になります。

『国民皆保険(こくみんかいほけん)』って社会の授業とかでやったの覚えているでしょうか・・・?(笑)

国が必要最小限の保障を平等に与えるものになります。

この社会保険を理解したうえで、民間保険に加入することが必要になります。

社会保険には医療保険、雇用保険、年金保険などの種類がありますが、それぞれが様々な問題に対して、

必要最小限の保障をしてくれています。

つまり、社会保険をベースとして、民間保険はあくまでもそれを補完するものという考えのもとで、

民間保険に加入するか?何が必要か?を検討することが必要になります。

病気やケガになったら?

病気やケガをした場合、治療費は原則3割負担で済むというありがたい制度があります。

(※年齢などで自己負担額は異なります。)

この制度は比較的多くの人が認識している社会保険の制度ではないでしょうか?

この他にあまり知られていない内容として、その自己負担額には上限があるのですが、知っていましたか?

僕はこれらの制度を知り、いろいろと調べた結果、今の自分には民間の医療保険は不要という結論に至りました。

高額療養費制度

さきほど自己負担額の上限について触れましたが、それは何かと言うと高額療養費制度というものです。

高額療養費制度については、少し社会保険について勉強した人でないと知らない人も多いかもしれません。

この制度は簡単に言うと自己負担額に上限が設けられ、上限を超える部分は後で返還されるというものです。

細かくは給与額や必要になった医療費などにより計算式があり、それぞれ上限額が決定されるのですが、

だいたいの人が5万円前後~15万円前後で済むのではないでしょうか。

つまり、手術をして100万円必要になってしまっても、自己負担は30万円かかるわけではなく、

実際はさらに少ない費用で済むということです。

癌(ガン)になった場合も100万円以内の自己負担額で済むケースがほとんどのようです。

この制度のおかげで、高額の手術などに対する不安はある程度解消できます。

ただし注意点として、この制度は同月内での上限額を定めるものなので、月末をまたいで費用が発生する場合は、

それぞれの月で上限額が定められることになりますので注意が必要です。(それでも大変ありがたい制度ですが…)

死亡したら?

もし死亡した場合、遺族にいくらか残してあげたい!そう思う方も多いのではないでしょうか?

僕自身、葬式代ぐらいは残したいと思い、いつ旅立っても500万円が支払われるという保険に入っていました。

葬儀の規模によるでしょうが、死亡した際の保険金で葬儀代も賄えないという保険はあまり無いと思いますが、

それくらいの費用を残したいと思ったときに、保険が必要になるでしょうか?

僕の入っていた保険は、すぐに旅立てばほとんど保険料を支払っていないのに大金が入ってきます

しかし、可能性の話で考えると70歳80歳くらいまでは生きる人が多いですよね?

これは言い換えると、『早くに旅立つことに賭けたギャンブル』ということになるのではないでしょうか?

(ちょっと乱暴な例えですが・・・)

実際に支払う保険金を見てみると、65歳で保険料を支払い終わるときには、

総額約500万円の保険料を支払っている計算になっているのです。

つまり、早くに旅立てば得するけど、長生きしたら得しないという設計になります。

死期に賭けるという言い方は聞こえが良くないですが、つまりはそういうものなのでした。

(ん~~~・・・・)

僕は将来のことは分からないながらも、いま仮に何かあっても妻のネムが経済的に困窮することはないし、

両親が食べていけなくなることもないので、それなら今は他のところにお金をまわして、

お金を増やしていくことの方が良いのではないかと思いましたので、不要なのかな~と・・・

遺族年金

葬儀代だけではなく、一家の大黒柱を失ったときの制度として『遺族年金』があります。

これは細かくは触れませんが、元々の夫の給与や子供の有無、配偶者の年齢などの条件により、

遺族年金として一定の金額が残された家族に支給されるものになります。

それだけで十分な生活が送れるというものではないですが、急に収入がゼロになるということは避けられます。

【参考】一般的なサラリーマン(妻子あり)が亡くなった場合、毎月約11~17万円程度の遺族年金を受け取れます。

高齢になってからではなく、現役世代での万が一に備えても、家族にお金を残せるという

心強い制度を国が用意してくれていますので、民間保険は不要と考えました。

失業したら?

失業してしまったら収入が無くなってしまうので大変です。

しかし、この問題についても社会保険では最低限の保障が用意されています。

失業理由が『自分都合』か『会社都合』かによって受給開始日などに差があるものの、

次の仕事が見つかるまでの繋ぎとしてお金が貰えるようになります。

受給金額はA『直近6ヵ月の1日あたりの給料』×B『給付率』×C『所定給付日数』で決まります。

A = 直近(失業前)6ヵ月間の給料合計[円]÷180[日]

B = 失業時点での年齢などにより変わってきます。(最低50%~最大80%)

C = 失業時点での年齢や被保険者期間、失業理由によって変わってきます。(最低90日間~最大330日間)

細かい計算例などはここでは省きますが、上記のように最低限の保障があることを知っておきましょう。

長生きしたら?

長生きに掛ける『保険』は全て不要です。

長生きに関しては、保険ではなく『投資』で事前に準備しておきましょう(笑)

まとめ

ここまで『保険』について国の制度を考えながら、見直してきました。

いかがだったでしょうか?

あくまでも今の僕には保険は不要ということであって、全員がそうという訳ではありません。

ただし、大前提としての社会保険をよく考えたうえで、さらに必要な分だけ民間保険に入らないと

無駄な支出になってしまいますよ~ということをお伝えしたかったので今回記事にしました。

国の保険制度について考えることはほとんど無いと思いますが、

国が用意した社会保険は莫大な『税金』が投入されて運営されています。

つまりどういうことかと言うと、民間保険と国の社会保険はそもそもの運営資源が違うのです。

民間保険は被保険者となる人たちから集めたお金からコストや保険会社の利益が差し引かれ、

残ったお金を万が一に見舞われた人に保険金として届ける仕組みですが、

国の社会保険は被保険者(国民)から集めたお金の他に莫大な税金を投入して運営されているのです。

このような構造の違いから、民間保険のほうが劣ってしまうのは仕方ないことですし、

残念ながらそこを補填しているのは、その保険に加入して搾取されてしまっている方々です。

ダマして加入させているとは言わないものの、明らかに不要な内容でも十分な説明をせずに、

ご高齢者や社会人になりたての若者、お金の勉強をしていない人(過去の僕)などに対して

保険を勧めているセールスが存在するのも事実です。

保険に限らず、携帯料金プランなどでもそうですが、ユーザーに分かりにくい金額体系になっているものに対しては、

きちんと必要かどうかの判断が出来るように金融リテラシーを高めておきたいものですね・・!!

僕自身、これからもお金についての知識を深めて、無駄な支出が減らせるよう頑張っていきます!

ここまでとても長い記事となってしまいましたが、最後まで見てくださってありがとうございました!

今回は『保険編』と題して3編に渡って、僕自身の保険の見直しと必要性についての考えを話してきました。

少しでもあなたの参考になったら嬉しいです(^^)

ではまた次の記事でお会いしましょう!!

以上、ケンでした!

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